広背筋に効果的な筋トレ|ジム&自宅でトレーニング【初心者】
背中の大きな筋肉を占める広背筋。憧れの逆三角形を実現させるためには背中の筋肉を鍛えることが不可欠です。今回は広背筋を鍛えるためのジムでのトレーニング方法と、ジムに通えず忙しい方のために道具を使わないトレーニング方法をご紹介していきます。
背中を構成する筋肉
まず広背筋を鍛えるトレーニングを紹介する前に、背中を構成する筋肉を知っていきましょう。筋肉や筋肉の動きを知ったうえで、トレーニングを行ったほうが効率よくトレーニングをおこなうことができるのです。
背中についている筋肉は大きく分けて7つあります。代表的なものは広背筋(こうはいきん)、僧帽筋(そうぼうきん)、脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)の3つです。そのほかの筋肉に関して以下のものが挙げられます。
- 菱形筋(りょうけいきん)
- 大円筋(だいえんきん)
- 小円筋(しょうえんきん)
- 棘下筋(きょくかきん)
- 三角筋後部(さんかくきんこうぶ)
その中でも広背筋、僧帽筋、脊柱起立筋の3つは筋肉を肥大化させるのに大きな役割を果たします。
広背筋(こうはいきん)
広背筋は肩甲骨の下の方に位置する筋肉です。この筋肉を鍛えることで背中にくびれを作ることができ、背中の逆三角形をより際立たせることができます。広背筋は筋肉を使っていることを理解するのが難しい筋肉でもあります。
腕を引くことで使われる筋肉なので、何かを後ろに引くようにして腕を動かしてみると動いていることが理解できるでしょう。また、広背筋は肩甲骨を寄せる時に使う筋肉なので、肩を落として肩甲骨を寄せることでストレッチをすることができます。広背筋を使用する前には一旦ストレッチしてください。
僧帽筋(そうぼうきん)
僧帽筋は広背筋の上部に位置する筋肉で、肩こりを発生させる筋肉でもあります。首と肩の間を触り腕を下ろしながら何かを持って上げ下げすると僧帽筋が動いていることを理解できるでしょう。僧帽筋をトレーニングする際には首をすくめながら動かしてみるとわかりやすいでしょう。
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)
脊柱起立筋とは、腸肋筋・最長筋・棘筋という3つの筋肉からなる筋肉で、首から腰にかけて背骨の両側を走行しています。背中を向けた時の背骨に沿った美しい線を魅せたいのであれば脊柱起立筋を鍛えるのがよいでしょう。
脊柱起立筋は弱めの負荷を長い時間かけてかけることで大きくなっていきます。そのため、高重量トレーニングをいきなり行うのではなく、ゆっくりと負荷をかけていきましょう。
広背筋と併せて僧帽筋と脊柱起立筋を一緒に筋トレを行うことで広背筋にもより良い効果が得られます。これからお伝えしていく広背筋トレーニングも一種類をずっと行うのではなく、色んなトレーニングを組み合わせてトレーニングを行ってみてくださいね。
広背筋の効果的な筋トレメニュー
ここからは広背筋をトレーニングする際の筋トレメニューを紹介していきます。初心者向けのトレーニングをご紹介しているので初めてトレーニングを行う際にも安心して取り組んでくださいね。
ジムでの広背筋トレーニング
1.チンニング(懸垂)
チンニングは筋トレ初心者の方が一番挫折しやすい筋トレメニューなのではないでしょうか。理由としては自分の体重を持ち上げるのが大変だから。筋肉があるのであれば有効な筋トレ方法ではありますが、大変な方法になるでしょう。
まず始めに筋トレを行いたいのであれば、懸垂の初心者バージョンから始めてみることをおすすめします。
チンニングは「ディップ・チンアシスト」などぶら下がり健康器具のようなトレーニングマシンやバーを活用してトレーニングを行います。筋肉があって、ラットプルダウン(このあと説明していきます)がかなり負荷をかけてできるような方でもいきなりチンニングができる方はいらっしゃないのでまずはこの練習から始めてみてください。
順番としては
①ぶら下がり⇒②アクティブ・ショルダーのぶら下がり⇒③チンアップでぶら下がり⇒④ネガティブ懸垂
という順番でできるように練習を重ねていきます。
ただのぶら下がりを行うだけでも自分の全体重が腕にかかるので30秒くらいできるようになるまで頑張ってくださいね。
懸垂(チンニング)ができない人のトレーニング方法。まずは「ぶら下がり」から挑戦
2.ラットプルダウン
ラットプルダウンはチンニングとほぼ同じ動作を行うトレーニング方法です。
チンニングは自分の身体を引き上げることで広背筋のトレーニングを行いますが、ラットプルダウンはダンベルなどの重りを上げ下げすることで広背筋のトレーニングを行います。
初心者におすすめなのは「ラットプルダウン>チンニング」。チンニングは自分の体重を支えないといけないので負荷が調節できません。それに対し、ラットプルダウンは手に持つダンベルなどの重りを変えることで負荷を調節できます。
ラットプルダウン
- 肩幅よりも広めにバーを持つ(逆手でも順手でもどちらも可)
- バーを上に持ち上げる
- ゆっくりと下げていく(胸に引きつけながら、肘をあばらにつけるようにしていく)
- 素早く持ち上げる
- この動作を15回繰り返す
- インターバル(1分間)
- 残り2セット行う
3.ベントオーバーローイング
ベントオーバーローイング
- 下準備として腰をサポートするベルトを巻く
- 重さに応じてストラップを手に巻くようにする
- 足は肩幅に開きます
- 手幅は、外ももから指2本分ほど外したところで両手を構える
- 軽くお尻を出して腰を45度曲げる
- 背中が丸まってしまわないようお尻から首まで緊張させる
- 顔は斜め前を見つめるようにする
ベントオーバーローイングはバーベルを持ちつつ、肩を斜め後ろに引きながら引き上げるという動作を行うことで広背筋のトレーニングを行います。
よく筋トレと聞くとイメージするのがこのベントオーバーローイング。しかし、腰を痛めやすいトレーニングでもあるのでしっかりとフォームを理解して固めてトレーニングに取り組んでくださいね。
4.ワンハンドローイング
ワンハンドローイングは先ほどのベントオーバーローイングを片手で行うようなものだと考えるとわかりやすいでしょう。ワンハンドローイングは片手を引くことで広背筋を鍛えていきます。
─ワンハンドローイングのフォーム─
- 足を肩幅分まで広げる
- 片手&片足をベンチにしっかりと乗せる
- 腰から首筋まで丸めずに力を入れる
- 肩は上げず、軽く胸張って方は下げる
- 顔は下ではなく、斜め前を向くようにする
─ワンハンドローイングのトレーニングメニュー─
- まずしっかりとフォームを作る
- ダンベルを握ってスタンバイ
- ダンベルを横腹まで引き上げる
- ゆっくりとダンベルをおろしていく
- (3)と(4)を8回〜10回ほど繰り返す
- インターバル休憩(1分間)
- 3セットしっかりと行ったら終了
ジムに行かない場合の広背筋トレーニング
最初からジムに行くのが不安という方は何も特別な道具を使わないトレーニングから始めてみてはいかがでしょうか。ここからは
1.デクラインプッシュアップ Gackt Ver.
Gacktさんが生み出した新たな形の腕立てトレーニング、デクラインプッシュアップ(6:08~)とワイドプッシュアップ(7:22~)では広背筋、腹筋、胸筋ともにトレーニングができます。
かなりきついトレーニングなのですが、2ヵ月で細マッチョになれるとおすすめのトレーニング方法です。
デクラインプッシュアップ Gackt Ver.
- 椅子を二脚用意する
- いわゆる腕立て伏せのような体勢にする
- 10:00と14:00の方向に手を向ける
- あばらに肘をくっつけるような形で腕立て伏せをおこなう
- 40回×3セットしっかりと行ったら終了
2.プランク(フロントブリッジ)
お腹を鍛えると思われているプランク。腹筋を鍛える以外にも背中を鍛えることができます。背中のインナーマッスルとも呼ばれる脊柱起立筋。プランクは脊柱起立筋を鍛えられる数少ない筋トレメニューの一つです。
通常のプランクでも刺激を届けられますが、より効率よく背中の筋肉を鍛えたい場合は、「リバースプランク」に取り組むのがベストです。
フロントブリッジの正しいフォーム
- 床にうつ伏せになる状態で寝る
- 腕を肩幅分広げて、軽く上体を起こす
- 2の時、腕の角度は90度を保つようにする
- 足はつま先で軽く上体を起こす
- 足から首筋まで、まっすぐな板を入れたようにまっすぐをキープする
─フロントブリッジの筋トレメニュー─
- しっかりとセットポジションを構える
- 最初の1セットは30秒セットポジションを常にキープさせておく
- インターバル(30秒休憩)
- 再度30秒フロントブリッジを行う
- (4)のセットで余裕がある方は、片足あげてフロントブリッジを行う
- インターバル(30秒休憩)
- 2セット目で足をあげてトレーニングした人は、逆足をあげてトレーニングする
3.ハイリバースプランク
先ほどお話ししたハイリバースプランクです。背中を鍛えることを目的としてプランクをやったことがない方は最初は戸惑うかもしれませんが、とてもシンプルな方法ですのでやってみればやり方もわかるかと思います。腹筋に力を入れるように背中の筋力を使っていることを意識して行ってくださいね。
ハイリバースプランクの正しいフォーム
- 床に仰向けになるように寝っ転がる
- 手のひらを地面にまっすぐつける
- 上半身を浮かせる
- 足から頭まで一直線の状態をキープする(※セットポジション)
- ずっとそのまま状態をキープする
ハイリバースプランクのトレーニングメニュー
- しっかりとセットポジションを構える
- 30秒の間、一直線の状態をキープしておく
- インターバル(1分間休憩)
- 2セット目は、1分間同じ状態をキープする
- インターバル(1分間休憩)
- 3セット目は2セット目と同じように行う
- (6)の時、余裕がある方は、バーベルのプレートをお腹の上において負荷をプラス
4.プローンレッグレイズ
プローンレッグレイズ
- 両手を頭の下に置き、体のラインを保ってうつ伏せに
- 両脚は揃えて伸ばし、つま先は立てる
- 片方の脚を伸ばしたままもう片方の脚を上げる
- できるだけ上げたらゆっくりと戻す
- 同じ動作を逆の脚で
- 左右15回程度繰り返す
5.ヒップリフト
ヒップリフトの正しいフォーム
- 床に仰向けで寝る
- 足を90度に曲げて落ち着かせる
- 手は、30度ほど開いてリラックスできるフォームを構える(セットポジション)
- お尻をグッとあげる
- お腹と足の膝が直線になるまでお尻をあげたら、一度停止する
- しっかりと呼吸して、大臀筋の収縮を感じる
- ゆっくりとお尻を下げていく
ヒップリフトのメニュー
- しっかりとセットポジションを構える
- お尻をグッと天井に突き上げるように上げる
- 膝とお腹が一直線になったら、一度停止する
- 大臀筋の伸張を感じながら、ゆっくりと腰を落としていく
- お尻の上下運動を10~15回ほど行う
- インターバル(1分間休憩)
- 残り2セット同じ動作を行う
広背筋トレーニングの効果
広背筋のトレーニングを行うことで次のような効果を得ることができます。
- 身体を逆三角形にできる
- 姿勢を良くできる
- 疲れにくい体になる
- 基礎代謝を高められる
広背筋は、身体の中でも大きな筋肉の1つです。広背筋も鍛えることで自身の身体を逆三角形にすることができ、魅力的なシルエットが手に入ります。
広背筋以外も鍛えることは必要ですが、まずは広背筋から鍛えることで効果を実感できるでしょう。
1.身体を逆三角形にできる
男性でも女性でも憧れる逆三角形。肩の筋肉はもちろんですが、背中の筋肉も鍛え上げることで、より理想の逆三角形に近づけることができるでしょう。
また、広背筋は大きい筋肉なので鍛え始めるにはより良い筋肉と言えます。まずは広背筋から鍛え上げるのをおすすめします。
2.姿勢を良くできる
デスクワークが多いと姿勢を悪くしてしまいがちです。筋肉を鍛え始めたいと考えている方もまずは広背筋を鍛えてみましょう。広背筋は姿勢を支える筋肉としての役割も担っているため、鍛えることで綺麗な姿勢へと改善されます。また、猫背を改善してくれるので綺麗な立ち姿勢になり、自信を持っているように魅せることができるでしょう。
3.疲れにくい体になる
「何故疲れやすいのか?」というと当然のことながら睡眠不足や栄養不足があげられます。また、「全身持久力」と「筋持久力」が足りないと言われます。全身持久力は、運動を長く続けるための能力で、主に心肺機能の高さのこと。筋持久力は、筋肉を長時間働かせる能力だったり、繰り返しの負荷を何回続けられるかという能力です。
これら全身持久力と筋持久力、そして筋力、パワー・バランス等の要素が不足すると、疲れやすい体になってしまいます。
そのため、筋トレを行うことで疲れにくい体を手に入れることができるのです。
4.基礎代謝を高められる
基礎代謝をあげることで日々の消費量を増加させることができます。
これは広背筋以外の筋肉を鍛えることでもいえますが、筋肉が大きいものから鍛えることで基礎代謝を上げやすくなるのです。
基礎代謝をあげることでよりよくしていきましょう。
広背筋を鍛えて自分好みの身体に
広背筋を鍛える筋トレに関してご紹介してきました。広背筋は自分の理想の身体を作り上げるうえで手始めに筋トレをおこなうのにとてもおすすめの筋肉です。まずは自分のなりたい体から逆に考えて筋トレを始めてみてくださいね。